この度新しくInnovation First社によって開発されたHEX BUG Crab は、すばらしい機械動物です。とくにその小形でチョコチョコ動くところが何とも言えず魅力的です。かつて私たちが作ったカニ・メカニマルとよく似ていますが、寸法的に、自在研究所の物の約1/3、体積で大体1/10程の小ささで、よくもこんなに小さくまとめることが出来たと感心しました。しかも電子回路まで装備して、光や音に反応するようになっています。まったくInnovation First社の開発者の腕前と、ここ40年間の技術進歩、とくに小型モーターの進歩に敬服します。
HEX BUG Crab は、自在研究所のカニロボットと一見同じようなリンク機構を備えていますが、自在研究所のものより簡素化され、洗練されたシンプルなものになっています。
じつはリンク機構は、第一次産業革命の頃から使われているくらい、機械工学では非常に古い分野のもので、近年メカニマルが登場するまでは、ほとんど研究テーマとして取り上げられなかったものです。しかし今では、メカニマルの登場によって再び脚光を浴び、新しい分野を形成しつつあります。このHEX BUG Crabは、HEX BUG 第一弾のヒット商品である昆虫型ロボットについで開発された第二弾ということですが、今後第三弾、第四弾と開発されるHEX BUG の重要部分にリンク機構はきっと応用されて行くことでしょう。
今日、日本でロボットといえば、人間型2足歩ロボット全盛の感がありますが、メカニマルのような人間型でない生物ロボットには、もっと広がった多様な面白さがあります。
皆さんのご家庭を、ご自分の部屋を、HEX BUG Crab をはじめとするメカニマルで満たして、小さな機械動物園を作ってごらんになりませんか。面白いだけでなく、創造的発想が豊かになりますよ。
(注1)(株)自在研究所:物事の柔らかい考え方を広めることを理念とし、森氏が1968年に設立した会社 上へ
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