ロボコン博士が語る、HEX BUG Crabの魅力
ABOUT…HEX BUG Crabとは
MOVIE…映像
BLOG…ブログ
RECOMMEND…推薦文
HEX BUG…トップへ

 かつて私は、動物型ロボットの開発に携わったことがあります。
 機械動物の発端は、1960年代後半に、現在私が社長を勤める(株)自在研究所(注1)で、当時所員だった技術者で画家の富谷龍一氏が、リンク機構を巧妙に組み合わせ、これが機械かと思われるようなスムーズな運動をする、動物に似たメカニズムを創られたところにありました。
リンク機構とは棒(腕)と関節をたくみに組み合わせていろいろな運動ができるように仕組んだメカニズムを言いますが、何人もの所員がそれに特別な興味を示し、こうやったらどうか、ああやったら面白いだろうと、さまざまな発想を盛り込み、カニ、ヘビ、ムカデ、ミズスマシ、バッタ・・・と、次々に機械動物が創造されました。海中で魚ロボットを泳がせたら、本物のタイがついてきたほどでした。なかには生物界にもないような機械動物も生まれたのです。
 そして(株)自在研究所はそれらの機械動物を、「メカニマル(Mechanimal)」と名付けました。Mechanical Animalを略して作った日本製英語です。

森政弘名誉教授

 この度新しくInnovation First社によって開発されたHEX BUG Crab は、すばらしい機械動物です。とくにその小形でチョコチョコ動くところが何とも言えず魅力的です。かつて私たちが作ったカニ・メカニマルとよく似ていますが、寸法的に、自在研究所の物の約1/3、体積で大体1/10程の小ささで、よくもこんなに小さくまとめることが出来たと感心しました。しかも電子回路まで装備して、光や音に反応するようになっています。まったくInnovation First社の開発者の腕前と、ここ40年間の技術進歩、とくに小型モーターの進歩に敬服します。
 HEX BUG Crab は、自在研究所のカニロボットと一見同じようなリンク機構を備えていますが、自在研究所のものより簡素化され、洗練されたシンプルなものになっています。
 じつはリンク機構は、第一次産業革命の頃から使われているくらい、機械工学では非常に古い分野のもので、近年メカニマルが登場するまでは、ほとんど研究テーマとして取り上げられなかったものです。しかし今では、メカニマルの登場によって再び脚光を浴び、新しい分野を形成しつつあります。このHEX BUG Crabは、HEX BUG 第一弾のヒット商品である昆虫型ロボットについで開発された第二弾ということですが、今後第三弾、第四弾と開発されるHEX BUG の重要部分にリンク機構はきっと応用されて行くことでしょう。

 今日、日本でロボットといえば、人間型2足歩ロボット全盛の感がありますが、メカニマルのような人間型でない生物ロボットには、もっと広がった多様な面白さがあります。
 皆さんのご家庭を、ご自分の部屋を、HEX BUG Crab をはじめとするメカニマルで満たして、小さな機械動物園を作ってごらんになりませんか。面白いだけでなく、創造的発想が豊かになりますよ。

(注1)(株)自在研究所:物事の柔らかい考え方を広めることを理念とし、森氏が1968年に設立した会社      上へ

かにさん
(C)2008 Innovation First, Inc.
Copyright (C) BANDAI CO.,LTD.2008 All Rights Reserved.